日本のコーヒーの歴史は、「どこで飲むか」が変わってきた歴史です。喫茶店は1981年に約15.5万店まで増え、今はその約4割です。それでも豆の輸入は1960年の約34倍です。全日本コーヒー協会の年表と統計を使い、江戸から今までの流れを、家で飲む形の変化を中心に整理します。

この記事の価格は2026年11月4〜5日に確認した値段が中心で、毎日変わることがあります。参考にした店と確認日は価格の確認日と参考元にまとめました。

運営者の飲み方

運営者はネスプレッソで毎日2〜3杯飲み、外ではファミリーマートでほぼ毎日買います。今の生活は、この記事の後半で見る流れの続きにあります。ゴールドブレンドはコク深めを飲みました。

江戸時代の出島から

日本にコーヒーが来た正確な年は分かっていません。UCCは、鎖国中に開かれていた長崎のオランダ商館が始まりと説明しています。商館が平戸から出島へ移ったのは1641年です。全日本コーヒー協会の年表で文献に現れるのは、1782年の蘭学者の訳書『萬国管窺』が早い例です。

飲んだ感想として有名なのが、1804年の大田蜀山人(南畝)の記録です。紅毛船で飲み、AGFの紹介によると「焦げ臭くて、味わうに耐えない」と書き残しました。今の日本のコーヒーの広がりを思うと、最初の評価はかなり厳しいものです。

商品としての輸入は幕末からです。年表は1856年にオランダから商品としてコーヒーが入ったと書きます。1858年の修好通商条約で正式に輸入できるようになり、1869年には横浜の新聞にコーヒーの広告が載りました。開港とともに、外国人の飲み物が日本の町へ入ってきます。

資料によって細かな表記が違う点もあります。例えば新聞名や人名の字は資料で少し異なります。この記事では全日本コーヒー協会の年表を優先し、別の資料を使う場合は名前を出しました。歴史は1つの資料で決めつけず、複数を見ることが大切です。

明治の喫茶店と大正のカフェ

日本人による本格的な喫茶店の始まりは、1888年の可否茶館です。鄭永慶が東京の下谷黒門町(今の上野)に開きました。Isotope Newsの記事によると、鄭はエール大学に学び、大蔵省を経て店を始めています。ただ店は続かず、AGFの年表では4年後に閉店しました。

流れが変わるのは1911年です。銀座にカフェー・プランタン、カフェーパウリスタ、カフェー・ライオンが開店します。国立国会図書館の資料によると、パウリスタの水野龍はサンパウロ州政府から無償のブラジルコーヒーを受け取りました。届いたのは1912年で、水野は「補助珈琲」と呼びました。

安いコーヒーと手軽な料理を出したパウリスタは、最終的に23店まで広がります。この無償の豆は、ブラジル移民の事業と結びついた特別な事情でした。日本とブラジルのつながりは今も輸入の数字に残っています。2025年の生豆の輸入先の1位はブラジルです。詳しくはブラジルの記事にあります。

もう1つ、日本人の発明の話があります。1899年に加藤サトリが溶けるコーヒーを作り、1901年に米国の博覧会へ出しました。AGFは断定を避ける書き方で紹介しています。ネスレは1938年に香りを閉じ込めた粉末コーヒーを発明したと書いています。2つは別の発明として読むのが正確です。

戦争で輸入が止まる

昭和に入り、1930年代の東京ではカフェが急に増えました。UCCの前身の上島忠雄商店は1933年に神戸で創業しています。UCCの年表では、戦前の輸入のピークは1937年です。しかし翌1938年に輸入制限が始まり、AGFによると輸入量は前年の半分になりました。

1939年にはコーヒーに10%の物品税がかかります。1941年に代用コーヒーの統制要綱が決まり、1942年には豆の輸入が途絶えました。UCCは輸入量がゼロになった年を1944年と書いていて、資料で年が違います。どちらにしても、暗黒時代と呼ばれる期間でした。

戦後は1948年に連合軍の放出コーヒーが家庭に配られ、1950年に輸入が再開します。同じ1950年には、ネスカフェが戦後の日本に初めて入りました。最初は占領軍などを通じて飲まれる貴重品でした。ここから家庭のコーヒーが始まります。

喫茶店は1981年に頂点を迎える

1960年に生豆の輸入が全面的に自由になり、翌1961年にはインスタントも続きます。AGFの年表は1965年から1983年を喫茶店ブームと呼びます。総務省の統計をまとめた全日本コーヒー協会の資料によると、喫茶店の数は1966年の27,026店から1981年の154,630店へ増えました。

喫茶店の事業所数の推移
1966年27,026店
1975年92,137店
1981年154,630店
1991年126,260店
2001年88,933店
2012年70,454店
2021年58,669店

全日本コーヒー協会の資料(総務省の事業所統計と経済センサス)の数字です。主な年を抜き出しました。

15年で約5.7倍という急な伸びです。そこから減り続け、2021年は58,669店です。最盛期の約38%で、約6割減った計算です。減った理由を統計は語りません。ただ時期を見ると、後で見るチェーン店やコンビニ、家のコーヒーの広がりと重なります。

輸入は減っていない

喫茶店が減ったなら、コーヒーの消費も減ったのか。輸入の数字を見ると、答えは違います。1960年の生豆の輸入量は10,707トンで、2025年の速報は359,382トンです。比べると約34倍です。

生豆の輸入量の推移
1960年約11千トン
1970年約80千トン
1980年約175千トン
1990年約291千トン
2000年約382千トン
2025年(速報)約359千トン

財務省の通関統計をまとめた資料と、全日本コーヒー協会の2025年の速報の数字です。

2000年の382,230トンより2025年は少なく、ここ数年は頭打ちです。ただ、AGFの年表は2013年に年間輸入量が50万トンを超えたと書いています。これは生豆換算の数字で、ここの生豆だけの数字とは数え方が違います。数字を比べるときは、何を数えているかを見てください。

輸入量を喫茶店の数で単純に割ります。1980年の輸入と1981年の店の数なら1店あたり約1,130kgです。2025年の輸入と2021年の店の数なら約6,126kgで、約5.4倍です。店の数では説明できない量が増えたと読めます。家、職場、コンビニで飲む量が増えたことと合う数字です。

家のコーヒーの形が増える

家のコーヒーの歴史は、新しい形が足されていく歴史です。インスタントから始まり、レギュラー、缶、ボトル、カプセルへと広がりました。前の形が消えるのではなく、棚の種類が増えていったのが日本の特徴です。各社の公式の年表から主な出来事を並べます。

家と店の新しい形の年表
1956年インスタントコーヒーが一般の市場に登場全日本コーヒー協会
1960年ネスカフェが家庭向けの販売を開始ネスレ日本
1967年フリーズドライのゴールドブレンドを発売ネスレ日本
1969年UCCが缶コーヒーを発売UCC
1970年UCCが真空包装のレギュラーコーヒーを製造UCC
1977年UCC ゴールドスペシャルを発売UCC
1980年ドトールコーヒーショップ1号店が原宿に開店ドトール
1994年ネスカフェ ボトルコーヒーを発売ネスレ日本
1996年スターバックスが銀座に日本1号店スターバックス
2007年ネスカフェ ドルチェ グストを発売ネスレ日本
2013年コンビニでカウンターコーヒーの販売が始まる全日本コーヒー協会

各社の公式の年表と全日本コーヒー協会の年表から抜き出しました。

1969年の缶コーヒーについて、UCCは世界で初めて開発したと説明しています。缶は「どこでも飲める」形を作りました。翌年の真空包装は、粉を家に置ける形を支えました。1972年には、UCCが家庭用レギュラーコーヒーのテレビCMを業界で初めて始めています。

全日本コーヒー協会の消費の指数を見ると、この変化が数字で分かります。1990年を100とした指数です。レギュラーコーヒーは1980年の53から2010年の152へ約2.9倍に伸びました。インスタントは同じ期間に約1.3倍で、コーヒー飲料は約0.9倍です。

年レギュラーインスタントコーヒー飲料
1980年5382114
1990年100100100
2000年139100112
2010年15210997

全日本コーヒー協会の資料の指数(1990年=100)です。2012年以降は換算の方法が変わるため、ここでは2010年までを載せました。

ドトールが変えた1杯の値段

1980年にドトールコーヒーショップは原宿に1号店を開きました。ブレンド1杯150円で、毎日飲んでも負担にならない値段を目指したと公式は書いています。当時の喫茶店は1981年の頂点の手前で、この値段の店が新しい選択肢になりました。

1991年に180円へ改定され、今のブレンドSは300円です。46年で2倍です。一方、セブンカフェのホットコーヒーRは140円で、1980年のドトールと近い金額です。手頃な1杯の役割は、今はコンビニも担っています。今の店ごとの比較はスターバックスとドトールの比較にあります。

年店メニュー値段
1980年ドトールブレンド150円
1991年ドトールブレンド180円
2026年ドトールブレンド S300円
2026年セブン-イレブンホットコーヒー R140円
2026年スターバックスエスプレッソ Solo435円から

シアトル系からコンビニへ

スターバックスは1995年に日本法人を作り、1996年8月に銀座松屋通り店を開きました。公式は北米以外で初めての店と書いています。AGFの年表は、この時期を第二次コーヒーブームと位置づけます。エスプレッソのラテを持ち歩く形が広がりました。

2003年には日本スペシャルティコーヒー協会ができ、2007年には世界バリスタ選手権が東京で開かれました。品質を言葉で語る動きが広がりました。定義はスペシャルティコーヒーの解説にまとめました。2015年に日本は国際コーヒー機関に戻ります。

全日本コーヒー協会の年表は、2013年にコンビニのカウンターコーヒーの販売開始を載せています。AGFはこの年を第三次ブームの始まりとしています。運営者も今はコンビニが多く、職場と家の近くにあるファミリーマートでほぼ毎日買います。

カプセルの時代

ネスレ日本の年表では、ドルチェ グストの発売が2007年、バリスタが2009年です。ボタンを押すだけの形が、家庭の選択肢として広がります。運営者がネスプレッソを選んだ理由は、カフェの味を家で飲みたかったことです。店の味を家に持ち込むという、ここまでの流れの続きです。

2012年にはネスカフェ アンバサダーという職場向けの仕組みも始まりました。場所が店から家へ、さらに職場へ広がる動きです。運営者もWeWorkの猿田彦のマシンに感動し、今は家のマシンが仕事中の習慣になっています。歴史を知ると、自分の生活が流れのどこにあるかが分かります。

決まりと協会の歩み

飲む形が増えると、袋や缶の言葉の決まりも必要になります。協会の年表には、1980年の社団法人の設立、1983年のコーヒーの日、1991年の全日本コーヒー公正取引協議会の発足が並びます。1989年には消費税の導入に伴い、コーヒー豆の物品税がなくなりました。

2022年には、協会が「コーヒーかす」を別の呼び方に改めることを提唱しました。今の袋に並ぶ「ブレンド」や「カフェインレス」の言葉も、こうした決まりの上にあります。読み方は袋の表示の読み方にまとめました。

時代ごとに飲み比べる

歴史を知ったら、当時の形を飲んでみるのが一番の楽しみ方です。同じ時代の味がそのまま残っているわけではありませんが、形や考え方は今の棚で手に取れます。下の表は時代ごとに1つ選んだ例です。

時代形今買える商品値段
1910年代銀座のカフェカフェーパウリスタ 森のコーヒー200g 2,300円から
1960年代フリーズドライネスカフェ ゴールドブレンド80g 861円
1960年代缶UCC ミルクコーヒー 缶30本 5,022円
1970年代家庭用レギュラーUCC ゴールドスペシャル1,000g 4,022円
1980年代手頃なチェーンドトール マイルドブレンド200g 1,110円
2000年代カプセルジェニオ エス ベーシック14,800円

歴史を感じる商品

UCC ミルクコーヒー 缶

値段30本 5,022円
1本約167円
量250g
種類乳飲料

1969年から続くと公式が説明する商品です。UCCの公式ストアのレビューは3件で平均4.33です。味とやさしい甘さが評価されています。歴史の出発点を1本で飲める、まず挙げたい商品です。1本から試したい人は店の棚を見てください。

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ネスカフェ ゴールドブレンド

値段80g 861円
店マツキヨココカラ
発売1967年
製法フリーズドライ

日本で初めてフリーズドライを取り入れた商品として、ネスレが紹介しています。運営者はコク深めを飲み、ブラックならゴールドブレンドが好きです。インスタントの選び方はマキシムとの比較にあります。

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UCC ゴールドスペシャル スペシャルブレンド

値段1,000g 4,022円
10g約40円
発売1977年
形粉

家庭用レギュラーコーヒーの定番です。1kgの大袋は毎日飲む家庭向けです。ただ開封後の管理は必要です。買う量は豆と粉の保存も見て決めてください。

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カフェーパウリスタ 森のコーヒー

値段200g 2,300円から
10g約115円
焙煎中深煎り
店楽天市場の店

銀座の老舗の商品です。店の説明では中深煎りで、JAS有機の商品も別にあります。カフェの歴史を飲みながら確かめる1袋です。味の評価は下の口コミを見てください。

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ドトール マイルドブレンド

値段200g 1,110円
10g約56円
店ドトール公式
確認日11月4日

店のブレンドの流れを家で試す商品です。ここでは値段の目安として紹介します。ドトールとタリーズの比較は別の記事にまとめました。

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公開された口コミ

古くからある商品の口コミは、味だけでなく思い出の話が混ざります。読むときは、昔の記憶の話と今の味の話を分けてください。新しい商品と比べるときの助けになります。今回は件数の少ない商品が多いので、傾向だけを見ます。

口コミの好評点

  • 味とやさしい甘さが良い(UCC ミルクコーヒー)
  • 香りが良く楽しみに飲める(森のコーヒー)
  • クセがなくとても飲みやすい(森のコーヒー)
  • くせがなく飲みやすい(ゴールドブレンド コク深め)

口コミの不満点

  • 香りが弱い(ゴールドブレンド コク深め)
  • 瓶のふたが湿気で固まりやすい(ゴールドブレンド)
  • 値上がりした(ゴールドブレンド)

UCC公式ストア、カフェーパウリスタの楽天市場、販売店のレビューの要約です。

歴史を知ると買い物が変わる

歴史は豆の選び方に直接は関わりません。ただ、棚に並ぶ形の理由が分かります。缶は持ち運びの形、ゴールドブレンドはフリーズドライの製法の形、カプセルは店の味を家に持ち込む形です。どの形にも、当時の暮らしの課題がありました。

自分の生活で今どの形が中心かを考えると、次に足す形が見えてきます。運営者の場合は家のカプセルと外のコンビニです。足すならドリップや別の方式です。買い替えの考え方は今のネスプレッソの次を考えるにまとめました。

合う人

  • コーヒーの話題を増やしたい
  • 古い店や老舗の商品が好き
  • 商品の成り立ちを知って買いたい
  • 親や祖父母と話すきっかけがほしい

合わない人

  • 味と値段だけ分かればよい
  • 新しい商品だけを追いたい
  • 年号には興味がない
  • 毎日の1杯を早く決めたい

価格の確認日と参考元

この記事の値段は、下の表の店やページで確認した時点のものです。確認した年はすべて2026年です。価格は毎日変わることがあり、セール、在庫、色、店によっても違います。送料、ポイント、クーポンは、本文で触れた場合を除いて計算に入れていません。

商品確認した価格参考にした店やページ確認日
UCC ミルクコーヒー 缶250g×30本 5,022円UCC公式オンラインストア11月5日
ネスカフェ ゴールドブレンド80g 861円マツキヨココカラ11月5日
UCC ゴールドスペシャル スペシャルブレンド 粉1,000g 4,022円UCC公式オンラインストア(楽天)11月5日
カフェーパウリスタ 森のコーヒー200g 2,300円からカフェーパウリスタ 楽天市場店11月5日
ドトール マイルドブレンド200g 1,110円ドトール公式11月4日
ドトール ブレンドコーヒーS 300円ドトール公式11月5日
セブン-イレブン ホットコーヒーR 140円セブン-イレブン公式11月4日
スターバックス エスプレッソ Solo435円から(店内)スターバックス公式11月5日
ドルチェ グスト ジェニオ エス ベーシック14,800円ネスカフェ ドルチェ グスト公式店(一覧ページの表示)11月5日

価格は確認時点の表示価格です。第三者の記事の価格は、その記事の時点の値段です。購入前に販売ページで最新の価格を確認してください。

よくある質問

日本に初めてコーヒーが来たのはいつですか?

正確な年は分かっていません。UCCは長崎のオランダ商館が始まりと説明しています。文献では1782年の訳書が早い例です。

日本で最初にコーヒーを飲んだ人は誰ですか?

記録に残る例として1804年の大田蜀山人が有名です。ただ、最初の1人とは言い切れません。

日本で最初の喫茶店はどこですか?

1888年に鄭永慶が開いた可否茶館が、日本人による本格的な喫茶店の始まりとして知られています。

缶コーヒーはいつ生まれましたか?

UCCは1969年に世界で初めて開発したと説明しています。今もUCC ミルクコーヒーとして売られています。

インスタントコーヒーはいつから飲まれていますか?

全日本コーヒー協会の年表では、1956年に一般の市場に登場しました。ネスカフェの家庭向け販売は1960年です。

喫茶店はなぜ減ったのですか?

統計は数の減少を示しますが、理由は1つに決められません。チェーン店、コンビニ、家のコーヒーの広がりと時期が重なっています。

コーヒーの日はいつですか?

10月1日です。全日本コーヒー協会が1983年に決めました。2015年には国際コーヒーの日も同じ日に制定されました。

日本の輸入は増え続けていますか?

長い目では大きく増えましたが、2000年の382,230トンに対して2025年の速報は359,382トンです。ここ数年は横ばいに近い数字です。