結論から書きます。酸味や香りの幅を楽しむならアラビカ、苦味とコクの強さを足すならロブスタです。ただし家で飲む多くの商品は、どちらか一方というより配合で考えるものです。アラビカの方が上という見方では選べません。運営者が一番好きなアルペジオはアラビカのブレンドで、リピートするリストレットには少量のロブスタが入ります。
この記事の価格は2026年11月3〜4日に確認した値段が中心で、毎日変わることがあります。参考にした店と確認日は価格の確認日と参考元にまとめました。
比べる基準
- 植物としての違いと、育つ場所
- 世界の生産量の割合
- 味の傾向と、運営者が飲んだ商品
- 商品の表示の読み方
- どんな飲み方に向くか
2つの豆の基本
アラビカもロブスタも、コーヒーの木の種類の名前です。全日本コーヒー協会はカネフォラ種(ロブスタ)と書いています。店の袋や記事ではロブスタの名前の方がよく使われるので、ここでもロブスタと書きます。
| 項目 | アラビカ | ロブスタ(カネフォラ) |
|---|---|---|
| 原産地 | エチオピア | ビクトリア湖周辺から西アフリカ |
| 木の高さ | 約3m以下 | 3〜6m |
| 受粉 | 同じ株の花で受粉する | 他の株の花粉で受粉する |
| 病害虫 | サビ病などに弱い | 強い |
| 育つ場所 | 低地から高地まで | 低地の湿潤な土地 |
| 主な使い道 | ストレート | インスタントなどの原料 |
全日本コーヒー協会の説明をもとにまとめました。
大きな差は、育てやすさです。アラビカは病害虫に弱く、ロブスタは強い木です。第三者の記事でも、ロブスタは標高の低い地域で育ち、収穫量が安定すると説明しています。味の前に、この育ち方の差が値段や使い道の差につながっています。
受粉の差も栽培に関わります。アラビカは同じ株の花で受粉しますが、ロブスタは他の株の花粉が要ります。植物としての性質がこれだけ違うので、同じ「コーヒー」でも別の作物に近い見方ができます。豆選びの全体はコーヒー豆の選び方にまとめました。
世界の生産量は6対4に近い
全日本コーヒー協会は、アラビカを生産量の6割弱、カネフォラを4割強と説明しています。この割合が今どうなっているかを、米国農務省の2026年7月の統計で計算しました。単位は60kg袋の百万袋です。
| 年度 | アラビカ | ロブスタ | 合計 | アラビカの割合 | ロブスタの割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024/25 | 102.3 | 74.5 | 176.8 | 約57.8% | 約42.2% |
| 2025/26 | 94.4 | 84.4 | 178.8 | 約52.8% | 約47.2% |
| 2026/27 見通し | 105.9 | 83.8 | 189.7 | 約55.8% | 約44.2% |
米国農務省の統計の値から編集部が計算しました。2026/27は見通しです。
2025/26はロブスタが約47.2%まで増え、半分に近づきました。2026/27の見通しではアラビカが戻り、約55.8%と約44.2%です。協会の6割弱と4割強という説明は、今も大きく外れていません。ただし年による揺れは5ポイントほどあります。合計の生産量は、2024/25の176.8から2026/27の189.7へ約7%増える見通しです。
揺れの大きな理由はブラジルです。アラビカの生産が2025/26の38.0から2026/27の47.5へ増える見通しです。この3年ではアラビカの増減が大きく、ロブスタは2年続けて80を超えています。今のコーヒーの4割以上はロブスタです。少数派の豆というイメージは、現実と違います。
国ごとにロブスタの割合は大きく違う
同じ統計で、主な生産国のロブスタの割合を計算しました。国によって豆の性格がはっきり分かれます。産地の名前を見ると、豆の種類の見当が付く場合があります。
米国農務省の統計から編集部が計算しました。下の表のコロンビアとエチオピアは、統計にアラビカの数字だけが載っています。
| 国 | アラビカ | ロブスタ | ロブスタの割合 |
|---|---|---|---|
| ベトナム | 1.1 | 31.4 | 約97% |
| インドネシア | 1.4 | 10.0 | 約88% |
| ウガンダ | 1.1 | 6.0 | 約84% |
| ブラジル | 47.5 | 24.4 | 約34% |
| コロンビア | 13.4 | ― | ― |
| エチオピア | 12.1 | ― | ― |
ベトナムはほとんどがロブスタで、約97%です。インドネシアとウガンダも8割を超えます。反対にコロンビアとエチオピアはアラビカの国です。ブラジルは両方の大産地で、アラビカが約3分の2、ロブスタが約3分の1です。ブラジルのロブスタの24.4は、世界で2番目の規模です。世界のロブスタ83.8のうち、ベトナムだけで約37%を占めます。ブラジルを足すと約67%で、2か国で3分の2ほどになります。
この表は、袋の産地を読むときに役に立ちます。UCC 職人の珈琲 深いコクの生豆の生産国にはベトナムとホンジュラスが並びます。AGF ちょっと贅沢な珈琲店はブラジルとベトナムです。ただしベトナムにもわずかにアラビカがあるので、国名だけで豆の種類は言い切れません。
味の違いをどう読むか
第三者のコーヒー豆研究所の記事は、ロブスタの味を酸味がほとんどなく、苦味が力強く、コクがどっしりしていると説明しています。香りは穀物やゴムを思わせることがあると書いています。味の点数は酸味1、苦味5、甘味2、コク5、香り2という主観の目安です。
アラビカは産地や焙煎で味の幅が広いのが特徴です。酸味の明るいものから、深煎りの苦いものまであります。全日本コーヒー協会がストレート向きと書く理由もここにあります。1種類の豆で飲んで味がまとまるのがアラビカで、配合の中で役割を持つのがロブスタです。
| 味の項目 | アラビカ | ロブスタ |
|---|---|---|
| 酸味 | 産地と焙煎で幅が広い | ほとんどない |
| 苦味 | 焙煎で変わる | 力強い |
| コク | 豆と焙煎で変わる | どっしりしている |
| 香り | 産地ごとの幅がある | 穀物やゴムに例えられる |
| 飲み方 | ストレート | ブレンドの一部 |
ロブスタはコーヒー豆研究所の記事、アラビカは全日本コーヒー協会の説明をもとに編集部がまとめた傾向です。
注意したいのは、焙煎の差です。深煎りのアラビカは強い苦味を持ちます。つまり苦いからロブスタとは限りません。運営者が好きなアルペジオはアラビカのブレンドで、コクが深く、苦味のバランスが良いと感じます。味の強さは豆の種類だけで決まりません。
運営者のカプセルを豆で分ける
ここからがこの記事の本題です。運営者が飲んだネスプレッソの4銘柄を、公式の説明の豆で分けました。公式のインテンソのページによると、アルペジオは中南米産のアラビカのブレンドです。リストレットとローマにはロブスタの名前が出てきます。
| 銘柄 | 豆の説明 | 運営者の感想 | 1杯 |
|---|---|---|---|
| アルペジオ | 中南米産のアラビカのブレンド | 一番の好み。コクが深い | 約103円 |
| リストレット | 南米と東アフリカのアラビカに少量のロブスタ | 濃いが飲みやすくクセが少ない | 約103円 |
| ローマ | 中南米産のアラビカとロブスタ | アルペジオの方が好き | 約103円 |
| ナポリ | ロブスタを使う(第三者の情報) | アルペジオの方が好き | 約103円 |
| スターバックス エスプレッソ ロースト | アラビカ100% | ミルクを多めに入れてもコクが残る | ― |
ネスプレッソ公式のインテンソのページと、Starbucks at Homeの説明をもとにしました。ナポリは第三者のTasting Tableの記事です。スターバックスの説明はStarbucks by Nespressoのカプセル全体についてのものです。
この表から分かることは3つあります。1つ目は、運営者の一番の好みがアラビカ側にあることです。2つ目は、リストレットのようにロブスタが少量入っても、クセが少なく飲みやすいことです。ロブスタが入ると荒い味になるとは言えません。
3つ目は、ミルクとの関係です。運営者はリストレットをミルク入りで飲むことが多いです。アラビカのアルペジオでも、ミルクを多めに入れてコクが残ります。ミルクにはロブスタが要る、と単純には言えません。銘柄ごとの差はアルペジオとリストレットの比較で書きました。
強さの数字と豆の種類も別物です。ローマは強さ8で、ロブスタが入っていても軽い焙煎です。ナポリは強さ13の深煎りです。同じロブスタ入りでも、性格は大きく違います。詳しくはローマとナポリのレビューを見てください。
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商品の表示の読み方
アラビカ100%と書く商品はありますが、ブレンドの割合まで書く商品は多くありません。表示がない商品は、配合が分からないというだけで、ロブスタが入っているとは言えません。読み方を整理します。
| 表示や説明 | 分かること | 例 |
|---|---|---|
| アラビカ100% | ロブスタが入らない | セブンカフェ、ラバッツァ クオリタ・オロ |
| アラビカとロブスタのブレンド | 両方が入る。割合は別 | リストレット、ラバッツァ ゴールドセレクション |
| 豆の説明なし | 配合は分からない | 多くのインスタントや粉 |
| 生豆の生産国の名前 | 国の傾向の手がかり | ベトナム、ブラジルなど |
セブンカフェは公式にアラビカ100%と説明しています。コンビニの1杯でも、豆の種類を打ち出す商品があるということです。ただしアラビカ100%は豆の種類の説明で、味の良さの約束ではありません。
インスタントの原料には主にカネフォラが使われると全日本コーヒー協会は説明しています。第三者の記事は、缶コーヒーやエスプレッソのブレンドにも使われると書いています。苦味とコクを支える役割です。インスタントの比較はインスタントコーヒー6商品を比較にまとめました。
値段の差は商品の棚では見えにくい
ロブスタ入りは安いと思われがちです。ところが店の棚では、豆の種類よりブランドや大きさの差が値段を決めます。第三者の記事に載るラバッツァの3商品を、100gあたりに直して比べました。
コーヒー豆研究所の記事の表記の価格(第三者の情報)を100gに直しました。公式、Amazon、楽天市場を参考にした値で、店の値段とは異なる場合があります。
| 商品 | 値段 | 100g | 豆 |
|---|---|---|---|
| ラバッツァ クオリタ・オロ | 250g 1,200円 | 約480円 | アラビカ100% |
| ラバッツァ ティエラ ブラジル | 1,000g 5,183円 | 約518円 | アラビカ100% |
| ラバッツァ ゴールドセレクション | 1,000g 4,908円 | 約491円 | アラビカとロブスタ |
アラビカ100%のクオリタ・オロは100g約480円で、ブレンドのゴールドセレクションは約491円です。ロブスタが入る方が少し高い結果でした。粉と豆の差や、大袋の差もあるので単純には比べられません。それでも、ロブスタ入りが安いという決めつけは当てはまりません。
棚の値段は豆の種類だけでなく、ブランドや売り方でも変わります。袋の大きさも商品ごとに違います。同じアラビカ100%でも、クオリタ・オロとティエラ ブラジルでは100gで約38円の差があります。袋の値段を比べるときは、100gに直してください。比較の方法はスーパーで買えるコーヒー粉を比較でも使いました。
広告ラバッツァ クオリタ・オロ 粉 250g
飲み方ごとの考え方
ブラックでじっくり飲む
アラビカから選びます。産地ごとの味の差を楽しめるからです。運営者が一番好きな店の猿田彦珈琲ではブラックをよく頼み、香りの良さとすっきりした後味が好きです。店で飲むブラックの楽しみは猿田彦珈琲のレビューに書きました。
ミルクを多く入れて飲む
豆の種類より銘柄で選びます。運営者は、ミルクを足す1杯にはアルペジオとロッソカフェのリッコが合うと感じます。リストレットもミルク入りで飲むことが多いです。ロッソカフェは豆の種類より、気分で選んでいます。銘柄の比較はカフェオレに合うカプセルにまとめました。
エスプレッソの厚みがほしい
ロブスタ入りのブレンドが候補です。第三者の記事がエスプレッソのブレンドの一部に使うと書く豆で、苦味とコクを足す役割です。ラバッツァ ゴールドセレクションのような豆は、全自動やポンプ式のマシンで試せます。
苦味が苦手
アラビカの浅めの焙煎から選びます。ロブスタは苦味が強い豆です。深煎りのアラビカも苦くなるので、豆の種類と焙煎の両方を見てください。焙煎については深煎りコーヒー豆の選び方が参考になります。
インスタントで飲む
インスタントの原料には主にカネフォラが使われると、全日本コーヒー協会は説明しています。ただ配合の表示が少ないので、豆の種類で選ぶ必要はありません。運営者はブラックならゴールドブレンドが好きで、コク深めはミルクも入れて飲みます。味の説明と値段で選んでください。
自分で飲み比べる手順
一番手軽なのはカプセルです。同じマシンで、豆の種類だけが違う銘柄を比べられます。ネスプレッソのアルペジオ、リストレット、ローマを10カプセルずつ買うと、合計3,078円です。どれも1杯約103円で、値段の差が入りません。10カプセルずつなら30杯分あるので、ブラックとミルク入りの両方を繰り返し試せます。
値段は10カプセル1,026円で計算しました。ネスプレッソのマシンがない人は、粉の商品で同じ比べ方ができます。
3銘柄は焙煎も違うので、豆の種類だけの差ではありません。それでも説明を読みながら飲むと、自分がどの言葉の味を好きなのかが分かります。運営者の場合は、コクの深さとミルクとの相性でアルペジオが残りました。
公開された評価
ロブスタの入る銘柄は、評価も分かれやすいところです。海外のレビューをまとめました。国内の販売ページでは、豆の種類に触れた本文の口コミは多くありません。そこで銘柄の味の声を手がかりにしています。
口コミの好評点
- ローマ: 穏やかで飲みやすい
- ローマ: ミルクの中でも味が残る
- ナポリ: 濃い口当たり
- ナポリ: 深煎り好きに合う
口コミの不満点
- ローマ: 果実の味や鋭さはない
- ナポリ: 苦味に敏感な人には強い
- ナポリ: 焦げた味という声
- ロブスタ: 穀物やゴムの香りという説明
Nespresso Guide、CoffeeXplore、コーヒー豆研究所の記事の要約です。第三者の情報です。
声の中身は、ロブスタの性格とよく重なります。苦味とコクの強さを好む人には魅力で、苦手な人には短所です。だから「アラビカが上」という一本の物差しでは測れません。好みの向きが違うだけです。自分の舌がどちらに向くかを知るのが大事です。
どちらが向くかを言い切る
合う人
- アラビカ: ブラックで飲む
- アラビカ: 産地の味の差を楽しむ
- アラビカ: 酸味や香りが好き
- ロブスタ入り: 苦味とコクを足したい
- ロブスタ入り: エスプレッソの厚みがほしい
合わない人
- アラビカ: 表示だけで味を期待する
- ロブスタ入り: 苦味が苦手
- ロブスタ入り: 繊細な香りを求める
豆の種類で迷うなら、アラビカのブレンドから始めます。運営者が初めての人に勧めるアルペジオも、アラビカのブレンドです。次に少量のロブスタが入るリストレットを飲むと、同じ1杯約103円の中で配合の差が分かります。100%かどうかより、好きな銘柄の説明を読む習慣の方が役に立ちます。
ロブスタは悪い豆でも安い代用品でもありません。世界の4割以上を占める、役割のある豆です。袋を読むときは、アラビカ100%の文字を味の保証と考えず、焙煎と産地と一緒に読んでください。それだけで、棚の前で迷う時間が減ります。
価格の確認日と参考元
この記事の値段は、下の表の店やページで確認した時点のものです。確認した年はすべて2026年です。価格は毎日変わることがあり、セール、在庫、色、店によっても違います。送料、ポイント、クーポンは、本文で触れた場合を除いて計算に入れていません。
| 商品 | 確認した価格 | 参考にした店やページ | 確認日 |
|---|---|---|---|
| ネスプレッソ アルペジオ、リストレット、ローマ、ナポリ | 10カプセル 1,026円 | ネスプレッソ公式の価格改定のお知らせ | 11月3日 |
| ラバッツァ クオリタ・オロ 粉(第三者の情報) | 250g 1,200円 | コーヒー豆研究所の記事の表記 | 11月4日 |
| ラバッツァ ゴールドセレクション 豆(第三者の情報) | 1kg 4,908円 | コーヒー豆研究所の記事の表記 | 11月4日 |
| ラバッツァ ティエラ ブラジル 豆(第三者の情報) | 1kg 5,183円 | コーヒー豆研究所の記事の表記 | 11月4日 |
価格は確認時点の表示価格です。第三者の記事の価格は、その記事の時点の値段です。購入前に販売ページで最新の価格を確認してください。
よくある質問
アラビカとロブスタの一番の違いは何ですか?
味では酸味と香りの幅がアラビカ、苦味とコクの強さがロブスタです。栽培ではロブスタの方が病害虫に強い木です。
どちらが多く作られていますか?
米国農務省の2026/27の見通しで、アラビカが約55.8%、ロブスタが約44.2%です。
カネフォラとロブスタは同じですか?
全日本コーヒー協会はカネフォラ種(ロブスタ)と並べて書いています。店ではロブスタの名前がよく使われます。
アラビカ100%はおいしいという意味ですか?
豆の種類の説明です。味は産地、焙煎、配合で変わります。
ロブスタはどこで作られていますか?
ベトナムが最大で、ブラジル、インドネシア、ウガンダが続きます。
ネスプレッソはどちらを使っていますか?
銘柄で違います。アルペジオはアラビカのブレンドで、リストレットとローマはロブスタが入ります。
ロブスタは安いのですか?
店の値段は豆の種類だけで決まりません。ラバッツァの例では、ブレンドの方が100gで少し高い結果でした。
苦味が強いのはロブスタだからですか?
焙煎の影響も大きいです。深煎りのアラビカも苦味が強くなります。